切恋【完】
零れ落ちた涙
「なー、愛莉。お前広川となかいーの?」
お昼ご飯を食べている時だった。
先に食べ終わったシュリは、私のお弁当から卵焼きを奪い取ると不思議そうに聞いてきた。
「え?なんで?」
「いや、きょー楽しそうに話してたし」
朝の出来事、見られてたんだ。
え、ちょっとまって。まさかシュリのはなししてたとこ聞かれてないよね?
あんな内容きかれたら、明日からシュリと顔合わせらんない。
「なっ、なかよくないよ?ただ、世間話ししてただけ!」
「ふうん?なーんだ、そっか」
安心したかのように、可愛く笑うシュリ。
まさか、ヤキモチ…
「愛莉にもやっと春がきたのかとおもったのによー。
それならダブルデートできんじゃん?とか思ったのにまだまだ無理そーだな!ふは!」
一瞬、やきもちなんて馬鹿な考えをした自分をしばいてやりたくなった。
そんなことありえるわけないのに。