切恋【完】
「じゃーな〜、愛莉」
二人の姿を見つめていると、くるっと振り返りシュリが手を振ってくれた。
その横で咲ちゃんがペコッと頭を下げる。
本当可愛い子…。
素直じゃなくて、口がわるい私とは大違い。
「じゃーねっ、咲ちゃんも!」
もやもやした気持ちを誤魔化すように二人に手を振ると、楽しそうに手をつないで帰っていった。
一人になった教室で、ぼんやりと考える。
何もかも遅い。
本当、手遅れ。
余裕ぶっこいて、想いを告げなかった自分が情けない。
気持ちを伝えてれば、何かかわっていたかもしれないのに…。
「泣いてんの?」