切恋【完】
失恋の涙
頭を鈍器かなんかで殴られたかと思った。
それくらい強い衝撃をこいつは私に与えたんだ。
「愛莉〜俺さ、彼女できたわ」
「は………?」
今、なんて言ったの?
「だからさ〜俺一年の咲ちゃんと付き合う事になったんだって!超かわいーんだって」
そう言ってシュリのチャームポイントと言ってもいいであろう八重歯を見せて、綺麗すぎる顔に笑みを浮かべた。
なんで?
どうして?
今まで特定の彼女なんて作らなかったじゃん。
最近やけに昼休みとかどっかに行ってんなって、気にはなってたけど
一番近くにいるのは私だと思ってたし、シュリは彼女なんて作らないって完璧油断してた、、。
思うことはいっぱいあって、
膝から崩れ落ちてワンワン泣いてしまいたい気分だったけど、そんなことできるはずもなく。
「……おめでとう」
一ミリたりとも思ってない、そんな上部だけの言葉を、必死の笑顔でシュリに送った。