切恋【完】
嘘
「おはよー、愛莉」
「おはよう」
次の日、いつも通り迎えに来たシュリ。
相変わらずの格好良さに胸がきゅんとなる。
だけど、普段感じることのない違和感を感じる。
「ねえ、昨日とアクセサリー同じじゃない?」
「んあ?」
シュリは昔からおしゃれで、趣味はネックレスなどを集めること。
だから、毎日色んなネックレスや指輪をつけてくるし、連続で同じアクセサリーはつけないのに、今日は昨日と同じものをつけている。
それに、いつもつけている香水にまじって、甘い香りが香ってくる。
もしかして‥‥‥。
「昨日、咲ちゃんち泊まったの?」
恐る恐るきいてみれば、その大きな目をふにゃりと下げて、チャームポイントの八重歯を覗かせた。
「うん」
笑ってるかお、大好きだったのに今はそれが辛い。
「そ‥‥っかぁ。あは」
「どした?」
今までだって女の子の家に泊まるとか、えっちしてんのとか初めてじゃないし、きいたこともあるのに、咲ちゃんとってのが辛かった。
いつもと違う甘い香りも咲ちゃんのものなんだね。
今にも泣き出しそうな顔を隠すように
全力で笑う。
「なんもねぇっつーの!ばあか」
ああ、辛い。