切恋【完】
玄関口まできて、誰もいないことを確認してからあゆむは私を地面に下ろした。
「帰るか?」
「うん‥‥‥‥‥‥‥ごめんね、あゆむ」
きぃつかわしてしまって、たすけてくれて、ごめんね、そしてありがと。
申し訳なさそうに落ち込む私の頭を軽く撫でると、
「きにすんなー。れいりの妹は俺の妹でもあるからな」
ふんわりと、王子様のような笑顔で笑った。
って、妹!?
「ちょっ、あんた私と同い年じゃん!
いーの気にすんな。将来俺の妹になることにはかわりないよ」
お姉ちゃん‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
ヒステリックなお姉ちゃんをもらってくれる人がいてよかったね‥‥‥‥‥‥。
尻に敷かれるであろうあゆむの背中をみて、同情の涙があふれてきた。