刹那ッチ!
授業参観とか絶対来えへんから、先生も俺を当てへんし、俺も手挙げへんし。
ごく稀に「はい、この詩を書いた作者はどんな気持ちでこの詩を書いたんでしょうか?はい、流ちゃん!答えてみて。」って、当てられるねん。俺は、どうせオトンもオカンも来てない事を分かってるから変な事を答えるねん。「ギャラ」とか「〆切り」とか。
 それを聞いてた近所のオバハンがオカンにチクリよるねん。ほんで、家に帰ったら怒られる。
「アホか、あんたは!ギャラじゃない印税や!」って。エッ?そっちなん?

 音楽会も、下手したら懇談会も来えへんねん。それは何でやったんか、今でも疑問やけど。もう聞かれへんし、死ぬまで話す機会もないやろから仕方ないけどな。
でも、そん時のホンマの気持ちは、見に来て欲しかった。欲しかったんやで、マジで。諦めてるとはいえ、少しは期待したりしてた。心のどっかで。
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