美しき少女の闇
悲しき少女
‐イギリス‐

コツッコツッ


軽快な音をたてながら真夜中の通路を歩いている少女は異様だった

腰まである長い艶やかなくせのない金髪

瞳はこの世界を写しているのかがわからないぐらいの黒色

唇もいつも弧を描いているように笑って

瞳も大きく、鼻は筋が通っていて薄いながらも形の整った唇……

人気のない場所を楽しそうに笑いながら
歩いている時

「……ふふ♪」

少女は、とても嬉しくなった

なぜなら目の前に獲物がいたのだから…

目の前にいるのは、男と別れたばかりの
娼婦の姿があったから




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