うちに動物が来た
人間界に来て、もう1ヶ月ちょいが過ぎた。 最近思う事は一つ、1ヶ月前まで感じ ていた感情とは明らかに違う感情が胸 の奥で渦めいていた。
前までは「寂しいから葵の側に居た い」って寂しさを紛らわす為だったの に、今では「ただ葵の側に居たい」っ て欲求になっていた。
「次から次へとテストがやってくるね」
「そうだなー、ヤマ張った?」
「はすの強運を頼ろうと思ってる」
「お前なー」
今日もまた、葵ははすと一緒に勉強を していた。 オレはそんな葵の膝の上、ふわふわと 優しい手付きで葵が撫でてくれる。
オレ達にとって人間は未知の生物、人間の感情については全くと言っていい 程分からない。
昔誰かが…ハスキー犬だっただろうか、四人家族の観察をして人間になっ てどっか行った奴。 ソイツが人間になるまで、約8年掛 かったそうだ。 人間になる事は容易くない、百も承知 で皆人間界に訪れる。 出会わなければ良かったと後悔して も、それはもう遅い。
「くぁー、つっかれたー」
「はす、何か持ってこようか?お菓子 とか、お茶とか」
「頼むわ」
「ついでにお手洗いも」
葵がリビングから離れた、温もりが無 くなってしまった。 そう思いぐーっと伸びて欠伸を一つ。
ふわり、葵とは違う大きい掌が撫でて くる。 見上げればはすが少し嬉しそうにこち らを見ていた。
「元気そうで何より、久しぶり翼君」
「!?は…す君!!?」
まずい。
人間の前で動物の姿を解いてしまった。
前までは「寂しいから葵の側に居た い」って寂しさを紛らわす為だったの に、今では「ただ葵の側に居たい」っ て欲求になっていた。
「次から次へとテストがやってくるね」
「そうだなー、ヤマ張った?」
「はすの強運を頼ろうと思ってる」
「お前なー」
今日もまた、葵ははすと一緒に勉強を していた。 オレはそんな葵の膝の上、ふわふわと 優しい手付きで葵が撫でてくれる。
オレ達にとって人間は未知の生物、人間の感情については全くと言っていい 程分からない。
昔誰かが…ハスキー犬だっただろうか、四人家族の観察をして人間になっ てどっか行った奴。 ソイツが人間になるまで、約8年掛 かったそうだ。 人間になる事は容易くない、百も承知 で皆人間界に訪れる。 出会わなければ良かったと後悔して も、それはもう遅い。
「くぁー、つっかれたー」
「はす、何か持ってこようか?お菓子 とか、お茶とか」
「頼むわ」
「ついでにお手洗いも」
葵がリビングから離れた、温もりが無 くなってしまった。 そう思いぐーっと伸びて欠伸を一つ。
ふわり、葵とは違う大きい掌が撫でて くる。 見上げればはすが少し嬉しそうにこち らを見ていた。
「元気そうで何より、久しぶり翼君」
「!?は…す君!!?」
まずい。
人間の前で動物の姿を解いてしまった。