うちに動物が来た
うちに犬が来た_プロローグ
これは遡る事8年前の話。
俺も彼女もまだ小さかった頃の話を、少しだけしよう。
---
ホワイトクリスマスイブ、とでも言うのだろうか。
12月24日の街中は、まるでケーキにシュガーパウダーを降らす様に雪が舞っていた。
小さな段ボール箱の中、人間界の事を勉強させに行くというのにこの扱いは酷いだろと思いつつ目の前の家の住民はなかなか出てこない。
尻尾を巻いてそこに頭を埋め、眠ってやろうかと思った。
瞬間、話し声が聞こえドアが開いた。
「ねぇ貴方、どうしましょう。あの子、犬が欲しいってずっと言ってるの」
「犬と言ったってなぁ…」
「…あら見て、」
「コイツは…ハスキー犬の子供か?」
「この子を持っていけばいいんじゃない?…捨て犬みたいだし」
そう言われて抱き上げられる。
大人しいな、噛まないかしらと二人からの声も程々にさっきの会話の内容を考える。
犬が欲しい?持っていく?…つまり俺はクリスマスのプレゼントとやらになるのか。
まぁ、暖かい家に入れるのならそれはそれで良いだろう。
家の中からは女の子の話し声が二つ聞こえた。
俺も彼女もまだ小さかった頃の話を、少しだけしよう。
---
ホワイトクリスマスイブ、とでも言うのだろうか。
12月24日の街中は、まるでケーキにシュガーパウダーを降らす様に雪が舞っていた。
小さな段ボール箱の中、人間界の事を勉強させに行くというのにこの扱いは酷いだろと思いつつ目の前の家の住民はなかなか出てこない。
尻尾を巻いてそこに頭を埋め、眠ってやろうかと思った。
瞬間、話し声が聞こえドアが開いた。
「ねぇ貴方、どうしましょう。あの子、犬が欲しいってずっと言ってるの」
「犬と言ったってなぁ…」
「…あら見て、」
「コイツは…ハスキー犬の子供か?」
「この子を持っていけばいいんじゃない?…捨て犬みたいだし」
そう言われて抱き上げられる。
大人しいな、噛まないかしらと二人からの声も程々にさっきの会話の内容を考える。
犬が欲しい?持っていく?…つまり俺はクリスマスのプレゼントとやらになるのか。
まぁ、暖かい家に入れるのならそれはそれで良いだろう。
家の中からは女の子の話し声が二つ聞こえた。