うちに動物が来た
「はすくん、いっしょにねよ!」
「…ばかなの美緒」
夜、パジャマに着替えた美緒は布団の上で腕を広げて俺を見ていた。
この少女の瞳は何事にも無垢だと感じた、隣で眠るお姉ちゃんも少し顔を顰めた。
だがここで俺が離れれば、こんな少女の事だ泣き出すかもしれない。
少々罪悪感を感じながらも、美緒の布団に足を踏み入れた。
「まだ、わんちゃんにならないでね…」
「……美緒、…って」
もう寝てる、という言葉を飲み込む。
小さい手が背中に回った、寝惚けて居るのだろうか。
美緒は、寂しかったのだろうか。
たまには人の温もりに浸って眠りに就くのも悪くないと思い、美緒の背中に腕を回して目を閉じた。
---
「…ん?」
「はすくんおはよ!」
「早起きだね、美緒」
「ままとぱぱがもうおしごと行っちゃうから!」
美緒に手を引かれ玄関に連れられると、丁度熱いキスを交わす二人が居て美緒の目を塞いだ。
ごめんなさいはす、と謝ってきた母さん(そう呼んでと言われた)に首を横に振る。
ご飯は作って置いてあるからと聞き、俺の分は犬の餌で良いと言ったのにと答えると家族でしょと返ってきた。
「はす、今日一日は家で美緒の面倒見ててくれるか?」
「はすが居るからって父さんもお仕事行くし…」
「…俺で良ければ」
「何かあれば、…美緒が咳き込んだり倒れたりしたら、私の番号か父さんの番号に電話してね、家電に登録してあるから」
思えばおかしい事ばかり。
聞けば美緒は7歳、小学生だ。
だけど今日は平日、なのにどうして美緒は学校に行かないのだろう。
「…ばかなの美緒」
夜、パジャマに着替えた美緒は布団の上で腕を広げて俺を見ていた。
この少女の瞳は何事にも無垢だと感じた、隣で眠るお姉ちゃんも少し顔を顰めた。
だがここで俺が離れれば、こんな少女の事だ泣き出すかもしれない。
少々罪悪感を感じながらも、美緒の布団に足を踏み入れた。
「まだ、わんちゃんにならないでね…」
「……美緒、…って」
もう寝てる、という言葉を飲み込む。
小さい手が背中に回った、寝惚けて居るのだろうか。
美緒は、寂しかったのだろうか。
たまには人の温もりに浸って眠りに就くのも悪くないと思い、美緒の背中に腕を回して目を閉じた。
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「…ん?」
「はすくんおはよ!」
「早起きだね、美緒」
「ままとぱぱがもうおしごと行っちゃうから!」
美緒に手を引かれ玄関に連れられると、丁度熱いキスを交わす二人が居て美緒の目を塞いだ。
ごめんなさいはす、と謝ってきた母さん(そう呼んでと言われた)に首を横に振る。
ご飯は作って置いてあるからと聞き、俺の分は犬の餌で良いと言ったのにと答えると家族でしょと返ってきた。
「はす、今日一日は家で美緒の面倒見ててくれるか?」
「はすが居るからって父さんもお仕事行くし…」
「…俺で良ければ」
「何かあれば、…美緒が咳き込んだり倒れたりしたら、私の番号か父さんの番号に電話してね、家電に登録してあるから」
思えばおかしい事ばかり。
聞けば美緒は7歳、小学生だ。
だけど今日は平日、なのにどうして美緒は学校に行かないのだろう。