うちに動物が来た
「…ふぁ、」

「眠いの美緒?」



ぽて、と頭が俺の方に倒れてくる。
うとうとした様子の美緒の体重は、どんどん俺に預けられていく。

欠伸を溢す小さな口にさっきの出来事が思い起こされる。
そっと自分の唇に触れると、何だか彼女の唇の柔らかさが感じられた気がした。



「うーん…」

「……寝るなら布団行く?ぅわっ、」

「はすくんのひざぁ…」

「…布団、行かないの?///」

「はしゅくんのひざがいー…」



ぎゅっと小さい手が腰に回る。
ふわりと尻尾が美緒の顔の横に寄ると、美緒がそれに顔を寄せた。

あぐらの方が良いと言われ組み替えようとした足を元に戻す。
少女の突然の行動に頬が熱くなるのを感じた。

黒い髪を撫でると、ふにゃっと笑顔を浮かべ眠ってしまった。



「…俺も寝ようかな」



窓も開けてないし大丈夫かと目を瞑る。

美緒の手を握って俺も眠りに就いた。
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