Magic Academy ~古からの盟約~
いつ見ても飽きないな。
そんなことを思っていると、一羽の烏が窓際にやって来て、コツコツ、と窓を叩いた。
それを見た彼女は、いそいそと荷物をまとめると、そのまま出ていった。
出ていく時に、僕に気づいたようで、彼女は小さく会釈した。僕も小さく頭を下げて返す。
『彼女に変化はないか?』
不意に頭に声が響く。
(ないよ)
小さく笑って、僕はまた、持っていた本を開き、もう何度も読んだ文章を、また、読み始めた。