Magic Academy ~古からの盟約~
「そうなんだ。クルを送ってるから、てっきり里まで送り届けるもんだと思ってたよ」

少し恥ずかしそうにそらが言うと、シークはそららしい、と笑った。

「それにしても、だいぶ歩いてきたけど、里はまだ遠いの?」

ヒュープリッツァの屋敷を出てもうだいぶ歩いてきたところだった。あんなに大きな屋敷だったのに、もうその姿は完全に見えなくなっていた。

「全員はさすがに無理だけど、そらだけなら大丈夫かな~」

『え?』

クルの言葉に、全員が首を傾げた時だった。

「え?あれ?シーク?ヒュープリッツァ??ウォルフ???」

さっきまでと変わらない景色がそこには広がっている。なのに、一緒にいたはずの人達の姿がなくなっていた。

「ようこそ、妖精の里へ」

クルは笑って、こっちだよ、とそらを引っ張っていく。

「え?え??」

訳がわからないまま、そらはクルに連れられて、里の中へと入っていった。

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