Magic Academy ～古からの盟約～

「あのねー、長老様にお客だよー」

慌てて引き返して、そらの体の陰に隠れて、クルが言う。長老は眉をひそめ、そらを見て激怒する。

「てめぇ…人間がここにいるってのはどういうことだ！」

ズンズンとそらの側までやってくると、後ろに隠れていたクルをギュッと捕まえて握りつける。

「ちょ、ま、痛い！痛いよ！」

クルが叫ぶ。
展開についていけず、呆然としていたそらは、クルの叫び声に我に返ると、慌てて長老の手からクルを取り戻す。

「い、痛がってるじゃないですか！」

やっと絞り出した言葉。だが、長老はギロリとそらを睨み付ける。

「そこのバカが連れてきたみてーだが、言い訳があるなら3秒以内に言え」

長老に言われて、そらは小さく肩を震わせる。だが、萎縮している場合ではない、と慌てて事情を説明した。
そらの言い分を聞き終えると、長老がそらの目を見据えたまま、クルに、追加して言うことは、と呟くと、小さな声で、彼がごめんなさい、と答えたのを聞いて長老様は小さくため息をつき、ついてこい、と二人に促した。