Magic Academy ~古からの盟約~
「バカが世話になったな、すまなかった」

長老の自宅とおぼしき家に着くと、甘い香りのする飲み物を渡された。

「いえ、あ、ありがとうございます」

お礼を言って一口飲む。
蜜飴に似た味のするオレンジ色をした飲み物に、美味しい!とそらは小さく呟いた。

「とりあえず、こいつを助けてくれた礼をしないといけないからな。今回だけ特別に質問に答えてやる」

面倒くさそうに言う長老に、そらはありがとうございます、と頭を下げた。

「あの、長老様は外に出たら襲われることを知ってたんですか?」

聞くと、長老はあまりにストレートな聞き方に、思わず笑った。

「まわりくどいのは嫌いなんだ。気に入った」

言ってにっと笑うと、長老頷いて、そうだ、と答えた。
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