谺する愛



巡回の指導員が、見かねたように走りよって、


令子の背中に手を当てて、バランスの取り方を、


教えて居るようだ。




何を話して居るかは、真知子には聞こえないが、


優しく丁寧に教えて居るのが、令子の笑顔で解った。



幼い時の、令子と、夫の姿を重ねながら



しばらく見守った。


父の居ない令子が不憫に思えでならない。


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