谺する愛


真知子は用務員の立場ではあるが、


先生方と馴染みの間柄なので、

臆することなく参加した。


真夏の陽射しの中、

1800mの高さの山だが


真知子にも登れそうな気がした。


登山口はふたつあり、

表から登ると粘土質で、


一歩足を前に出すと


半歩戻ってしまう、


滑りやすく急斜面の山であるが

どうしても行って見たい秘湯を


泊まるコースとして選んだ。

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