谺する愛
令子は、誰からの手紙かなど確認もせずに
父、小森に渡した。
小森は一通ずつ恐れるような視線で
手紙を確認して居るうちに
顔が蒼白になった。
傍に居た令子は慌てて聞いた。
「お父さん、どうしたの、誰からの手紙なの。」
そう令子が尋ねたが小森は黙ったまま俯いていた。
変な様子の小森に気が着いた真知子が駆け寄った。
「お父さん、どうしたの。黙って居ないで話して頂戴よ。」
何を聞いても驚かないよ。誰からの手紙なの・・ね、
お父さん令子も何を聞いても大丈夫だから話してよ。」
真知子は小森の肩を揺すりながら頼んだ。