谺する愛



必ず降りると言う手紙を握り締めた小森は


来た道を戻り、もう一度見回したが



人混みに巻き込まれたのか景子の姿は見当たらない。



景子は小柄なタイプだから行きかう人の


背中に隠れて居るのかもしれないと首を長くして


見回した時・・


後ろで泣く声がした。



景子はお父さんと叫んだが声にならないのだ。



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