谺する愛


「探したんだよ。探したんだ。」


その後の声が涙で詰まった。

探しあった時間を駆け巡る心の中が

納まるまで2人で泣いた。


暫くして小森は話を続けた。



「何年も探したけど見つからなかったんだよ。


日本に帰る船が指定されて居たんだ。」


もう一度謝るように小森は景子の体を抱きしめた。



それからおもむろに・・・・・・


今の生活を詳しく前の妻真知子と令子の話を、


景子に話した。


息子たちもじっと父母の姿を見守っていた。


息子たちは男性らしく成長して居た。



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