谺する愛


嘗て楽しかった家族の会話を思い出しながら


父と母の会話を聞いて居た息子が、



母 景子の手を握りしめ・・・


静かに話し始めた。



「今の家庭を壊すことは望まない。


僕たちは新たな地で生きて行くよ。

お父さんとお母さんで、

もう一度お母さんと話し合ってくれ。」



そう長男は俯いたまま言った。



景子は暫く泣いて居たが話し始めた。



「お父さん、誰も恨めない。誰も悪くないんだ。


今の家庭を壊した幸せなって味わえないよ。


しばらく私は考えてから、どう生きるかを考えるわよ。」


そう言って握手を求めて来た。

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