谺する愛



山小屋のランプより、


暗闇に点る煌く星に抱かれながら



中腹の風景を満喫した。



何時しか真知子の口元から、


灯火の歌が零れた。



たそがれの灯は ほのかにともりて


なつかしき山小屋は 麓の小径よ


思い出の窓により 君をしのべば


風は過ぎし日の 歌をばささやくよ




小さな声で歌ったつもりだったが、


そっと後ろで聞いて居た男性が居た。

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