あたしの横は不器用です
そんなことを考えたあたしのことなど知らないで、
風雨はあたしの顔を覗いた。
………風雨はバカだ。
『その表情……、ズルいと思うけど』
「……はぁっ?ず、ズルいってなに………」
思わず顔をそらすと、ぐっと手を掴まれて
風雨の方をまた、見てしまった。
『…………期待、していい?』
「意味わかんない……っ、ん」
----その数秒後、視界は風雨でいっぱいになって、
でもあたしは目を閉じて、
風雨に応えるようにあたしは、
したこともないキスを、風雨とした。
--変わることなんてないと思ってた、
“幼なじみ”という関係を壊すように。