《詩集》螺旋階段

contract

『contract』


淀みなく進む雲の中に
僕らの形を探して

隣り合わせた肩をそっと遠ざけた

癖だらけの髪が
視界から消える
青い世界が赤く変わる

長休符が音になる

どれもきっかけは同じこと

僕が手を伸ばさなくとも
他の誰かが君の手を取って

君が手を離さなくとも

握りしめた手は
いつの間にか
するりと解けてしまうから

今から結ぶ指先に
僕らの時間を賭けてみようか

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