《詩集》螺旋階段

からくり

『からくり』


歪んだ影から伸びる
願望と懺悔の逃げ道

一部の欠損
一瞬の補完

冷徹に突き放されるよりも
半端な優しさが酷なのに

ぼんやり明るむ道の先

廻っていた歯車を
錆のついた指で邪魔して
襲い来る虚無と死屍を
上から見下ろして笑ってた

それとなく示す彼のその目は
濁って白く
誰の未来を見てるのか
そんなことも分からない

零れて転がってくガラス玉
小さく脆く
坂の下へ

僕らはからくり
神さまの下

光が落ちて
影を隠せば
君も僕も見えなくなって

ただ夜の仕掛けの繋ぎ目になる
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