《詩集》螺旋階段

深海魚

『深海魚』


明滅する思考
鳴り止まない声
砕かれて粉々になっていく
自尊なんて要らないよと

共有したい
塵のような想いの欠片まで

誰もが見上げる高い塔の天辺から
幾つもの言葉を落として
出逢ってみたい

僕を彼だって
他称してくれる誰かと

誰だって願う最高の理想を
僕だって叶わないと分かってて

それでも追いかけていたいんだ

錆の匂い立ち込める
思惑の海の底

声のする方
捕まえてくれる
名も知らぬあなたの元へ

泳ぐ僕は まだひとり

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