《詩集》螺旋階段
汽水魚
『汽水魚』
光る銀の爪
塗ったばかりで乾いてもいない
淋しげな指先に
散りばめられたそれは
翳った瞳にも確かに映った
波に揺らぐ鮮烈なドレス
雪の舞う数センチ下
君が泳いでるのは汽水域
境界は何処までも不可視
ひどく曖昧で不可思議な所
夢の跡
淡く色付いた頬
不遜に見えた君の存在が
ちっぽけになる瞬間
君が泳いでくのは汽水域
混ざり合って
交じり合って
境界が在ったことすら
忘れるような
そんな自由で美しい
君に似合う場所
光る銀の爪
塗ったばかりで乾いてもいない
淋しげな指先に
散りばめられたそれは
翳った瞳にも確かに映った
波に揺らぐ鮮烈なドレス
雪の舞う数センチ下
君が泳いでるのは汽水域
境界は何処までも不可視
ひどく曖昧で不可思議な所
夢の跡
淡く色付いた頬
不遜に見えた君の存在が
ちっぽけになる瞬間
君が泳いでくのは汽水域
混ざり合って
交じり合って
境界が在ったことすら
忘れるような
そんな自由で美しい
君に似合う場所