世界のハジマリ
第一章
プロローグ
ーーーーーワォォーーー…オオン
オギャ~…オギャ~……
『グルル…』
ごみ捨て場の隅。
薄汚い布に包まれた小さな赤子を囲うように唸る3匹の野良犬達。
『ぁ〜ッ…うェッ、』
雪の降る中、寒さと空腹で大粒の涙を流し泣きじゃくる赤子。
『バウッ!』
それを見ていた犬はうるさいと言うかのように一鳴きした。
『……キャハハ♪』
しかし、赤子は泣くどころか笑顔で笑った。
それを見た犬達は顔を見合わせ、1匹が赤子に巻き付く布を加えその場を去った。
他の犬達もそれに続いてごみ捨て場を背に歩いた。
これは、3匹のとても賢い犬に育てられた少女と暴走族の物語。