私は立派な楠に腰掛けて。

そうして私はここへ戻ってきたのだ。

昔よりも近くに感じる楠の枝葉。昔よりも遠くに感じる草花の香り。

そしてなにより、ここにいるのは自分だけであるという孤独感。

それから私を包むのはえも言われぬ満足感だった。

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