毒舌とうさぎ





マジで切れる5秒前



略してMK5




俺はIZと呼んでいる静かなこの場所で
大声をあげた




「お前しゃべんねーならどっかいけよ!
そこにいて何もしねーなら邪魔だ!」




言いたいことをすぐ口にしてしまう俺の悪い癖だ



しかし言わないよりは言った方が良いって周りからは言われる




彼女はもっと怯えた顔を見せるが




かろうじて口が動いた



「ここ、私もおやつ食べるときに使うの」



おやつとはその人参スティックのことだろう



しかしこの1週間のうち3日は早希と帰ってたから知らなかった



俺の他にここに来るやつがいたなんてな



今日早希は習い事でやっているピアノの練習があるため先に帰った



だからこそ俺はこのIZでゆっくりしてたい




しかし俺だけがここを独り占めするわけにはいかないだろう




「よかったら座って」



俺はこの上ない優しさで彼女を招いた




その優しさが届いたのか彼女も俺の隣に座る



意外と素直なのかもしれないと思いつつ



俺は彼女に質問をした



「何組?」


「B組」


「B組かー俺D組だからなー」



クラスが違うことを知った




「一人が楽ってなんなんだ?
俺はお前みたいな決めつけばっかのやつ嫌いだわ」




そう言うと彼女はショックそうな顔を浮かべた



まあ初対面にそんなこと言われたらショックだろうと冷静に思いつつ俺は気にしないで言った




「中学の時とか何があったかしらないけど
高校になってまた新しい始まりなんだから関係ないぞ
俺の隣に自分の意思で座ったなら答えろ
友達は作らないのか?」




そう言うと彼女はしばらく黙り込んだ



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