毒舌とうさぎ
なんとなく俺はベンチから見て公園の奥の方を見る
気のせいであってほしい瞬間だった
俺の視力の良さが役に立ったもんだ
ベンチから見て奥の方とはちょっとした葉っぱの茂みが生えてるところがある場所だ
そこに微かに見えた人影
怪しすぎる女子高生が見えた
俺は呆然と奥の方を見る
何を考えているんだあいつは
「のん、ちょっと待ってて」
俺は視線の先へと足を運んだ
ずんずんと茂みに近づく
俺が近づいても逃げない度胸だけは褒めてやる
「こんなとこで何してんだ?」
俺が言うとあの時のようにビクッと体を震わせ怯えた目を見せた
「こ、こんにちは」
「こんにちはじゃねー!何してんのか聞いてんだよ!
これじゃ側から見たらストーカーだぞお前!」
彼女はうるさそうにこちらの話を耳から少し遠ざけた
なめてやがる……
そう、こいつは俺と約束をしたあの女だ
なぜここにいるかはわからない
しかしこの不気味な会い方に俺は不快感を感じてならなかった
茂みに座ってた彼女はようやく立ち上がり俺に訴えかけた
「あ、あの、私はあなたと約束したからそれを守ろうと思って」
「どこが守ってんだよ!お前のそのわけわからない行動に俺は呆れてお前に話しかけた。
約束はお前が俺に話しかけることだろ」
「そ、そうだけど、あと少しだった」
「隠れてないで出て来ればいいだろうが!」
話にならなすぎる