毒舌とうさぎ





俺と栗原は足に太めの手錠をかけられた状態で草をむしってる



もちろん俺は抗議をした



「どういうことだよ!
二人三脚しながら草むしり?
無意味だろぜったい!」


「なぜ遅刻したのか考えてみなさい
君たちの足が悪かった。もっとこの足の使い方を理解していれば遅刻することなんてなかったんじゃないか?
ならば足を不自由にして草むしりだ」




わけのわからない理由で俺らは繋げられている



幸いにも部活中ののんや他のやつらには見られていないようだけど



歩きづらい。




小柄な栗原は歩幅も小さい



俺は女の子と密着とかには慣れてるのでそんなに気にしてはいないが



怖がりな栗原にとっては男と一緒に密着しながら草むしりなんて耐えられないだろうと思い



俺は栗原に声をかける



「俺はお前のペースで合わせるから
お前は好きに動いていいぞ」


少し俯いていた栗原は顔をあげた



栗原はまんざらでもなさそうな顔をしていた



あれ?と思った矢先に栗原は動き始めた



「いっぱい生えてるよ、ほら、取ろ?」



せーのと言って同時にしゃがむ



「お前まじめかよ、こんな草むしりしてて楽しいのか?」



「ううん、先生の言う通りにやりたいから」



意外と素直な子だった




話しかけろって言ったら話しかけてくれるし



そうか、人の話を受け入れてくれるやつなんだな




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