毒舌とうさぎ
顔を上に向かせたため長い前髪が横に流れ
ちゃんと栗原の目を見たのは初めてだった
くっきりとした二重まぶた
まつ毛が長くて、少し青みのある黒目
予想以上に綺麗な目をしていて
でもどこか悲しげな目をしていて
一瞬ドキッとしてしまった
「そ、そんな悲しそうな顔したって
ダメなもんはダメなんだよ!」
動揺を隠しながら言った俺だが
強く言うほど栗原は困り眉をして目をうるっとさせた
「だあー!もう!わかった!
やりたいようにやれ!」
俺は栗原の顎から手を離す
「でもどうしたらいいか…」
「もぉぉぉ!!じれったい!
お前うぜーよ!
そんなの自分で考えろ!
お前はどうしたくてどうなりたいんだよ?
そのためにはどうしたらいい?
何を変えればいい?
考えて考えて考えて考えて考えろ!
そしたらもう何も考えないでいい俺みたいになる」
俺はそう言い捨て歩き始める
「そ、それもそれで……」
栗原も歩き始める