毒舌とうさぎ
まったく、ガキじゃあるまいし
その日はそのまま栗原と帰った
駅も同じ駅だったし家は俺の方が近かった
俺の家まで着く
「んじゃあな、今日のことはマジで気にすんなよ?」
俺は玄関の前で栗原に言うと
「ねえ」
栗原は俺を呼び止めるように声を掛けた
「ねえって呼ぶな
俺にはちゃんと名前があるんだ」
「だって……名前わかんない」
「え!?」
そういや、俺、名前言ってなかったのか!?
それすら覚えてない
「蓮だよ、蓮
みんなそう呼んでるから蓮でいいよ」
俺がそう言うと
ビュン!!
と強い風が横から吹いてきた
その風で栗原の綺麗な目が見えて
「蓮…君」
ドキッ!
名前を呼ばれ、なぜか俺はドキドキした