Dream*Voice
大夢side*
カラオケ店で別れたあと、ずっとあの子のことを考えていた。
ファミレスであった時から、よく通る声だと思ったけど
控えめで、あんまり言葉を発していなかったのに、
マイクを持った途端、別人みたいになって...
あの歌声に、心が打たれた...。
それに、あの曲...どこかで聞いた曲だった。
そういえば、あいつ、こんな夜に一人で大丈夫か..??
海斗は紗記ちゃん送ってったし、
隼人もほかの女の子と帰ってたから、
俺もあのこと帰ろうと思ったけど、
そんなに仲が良いわけでもないし...
そんなことを一人で考えていたら、
一人の男があとを付けるように美音ちゃんが通った道を歩いていた。
ストーカー...か..??
じっと男と美音ちゃんが、歩いてった方を見ていたら、
「......やっ....」
「.....!!!」
かすかにだけど、小さな悲鳴が聞こえて、
ダッシュであとを追いかけたら
小太りな男に迫られ、震えている美音ちゃんがいた。
「...ちっ....」
「美音ちゃんから汚ねぇ手を退けろ!!!」
そういいながらその男を蹴飛ばした。