Dream*Voice
さっきまで少し興味を持っていた人に、一瞬で冷めてしまった。
歌手なんて。
くだらない。
「じゃぁ〜大夢君うたってみてよ!!」
「うーーん。いいけど、俺音痴だぞ?」
「またまた〜歌が上手いから歌手になりたいんでしょ??いいから!歌ってよ!,」
「ほんとに、知らねぇぞ??」
「はいはい、ミュージックスタート!!」
~♪~
ポップなDJ調のいんとろが流れる。
音楽を聞かない私はなんの歌か分からなかったけど、皆がノリノリだったから、最近のはやりの曲なんだろなと思った。
私はこの部屋から出たかった。
トイレと行って出てしまおうか?
そう思ったとき、あの人。
大夢君の、ハスキーボイスがカラオケ店に響いた。
その歌声は。十数年前に聞いたバンドのボーカルにそっくりな歌声だった。
思わず、え、っと声にだしてしまった。
もしかして、同一人物??とも思ったけど、そんなわけない。
大夢君があのバンドのボーカルだったら5歳でコンサートをしていたことになる。