Dream*Voice
「みーおーん!!うたってよ!!」
『え??やだよ!!里奈ちゃんが歌いなよ〜』
勘弁してよ。と思いながらついさっき仲良くなった里奈ちゃんをみる。
「里奈、そんな歌うまくないもーん。大夢君の口直しにさ!歌ってよ!」
口直しって..
ちらっと大夢君を見ると、苦笑いをしていた。
「まぁまぁ、美音ちゃん歌上手いんだ??1曲歌ってよ!!」
お願いポーズをする海斗君に逆らえず、
『1曲...だからね??』
と言ってしまった。
あぁ、なんて私はバカなんだろう。
「やったぁー!じゃぁーぁー。曲は、どれにするの?」
『んっと、これ。』
「えー?何その歌。里奈しらなぁい。」
『うん。多分、みんな知らない。』
♪〜〜♪
この曲は私が唯一歌える曲。
私の大好きな曲。
あの、バンドの曲。
テーマは禁断の恋。
『スゥ....』
息を大きく吸い、丁寧に歌う。
自分がその曲の主人公のように、
甘く。
切なく。