情熱のメロディ
「やっぱり、色はこのままにしよう。装飾はバラのモチーフを……サイズは今測ったから、とりあえず大丈夫かな」
言いながら、カイは確認するようにアリアの全身に視線を注いでいく。だが、足元まで動いた視線がアリアの顔へと戻る途中、ふいっと急に振り返ったカイはそのまま店主のもとへ戻っていってしまった。
それでもアリアの鼓動はうるさく響いたままで、アリアは胸元でギュッと両手を握り締める。
「次は……これ、どうかな?」
アリアの方を見ないまま、カイは他のマネキンが来ていたドレスを店員に渡す。プリンセスラインの黄色いドレスは、花の刺繍がスカートのレースに施されている。切り替え部分にはリボンもついていて、今着ているドレスに比べると派手だ。
店員がカイからドレスを受け取ると、アリアはまた試着室へと戻り、ドレスの着せ替えをさせられて……何度もそんなことを繰り返し、アリアの意見も交えてカイと店主がデザインを話し合って決まっていく衣装のデザイン画は、とうとう10枚目になった。
「えっと、次は――」
「あ、あの!こんなには、着られないので……」
言われるままに着せ替え人形だったアリアも、さすがに疲れたし、多すぎるデザイン画に声をあげる。
すると、カイは机に置かれたデザイン画に視線を移し、少し目を見開いてからクスクスと笑い出した。
「あぁ……ごめんね。僕、夢中で……アリアは何を着ても似合うから、たくさんドレスを作りたくなるね。えっと……それじゃあ、とりあえずこのデザイン画の分は全部作ってください。また試着して、当日に着るものを決めますから」
「かしこまりました」
カイは店主にそう注文をして紙にサインした。
言いながら、カイは確認するようにアリアの全身に視線を注いでいく。だが、足元まで動いた視線がアリアの顔へと戻る途中、ふいっと急に振り返ったカイはそのまま店主のもとへ戻っていってしまった。
それでもアリアの鼓動はうるさく響いたままで、アリアは胸元でギュッと両手を握り締める。
「次は……これ、どうかな?」
アリアの方を見ないまま、カイは他のマネキンが来ていたドレスを店員に渡す。プリンセスラインの黄色いドレスは、花の刺繍がスカートのレースに施されている。切り替え部分にはリボンもついていて、今着ているドレスに比べると派手だ。
店員がカイからドレスを受け取ると、アリアはまた試着室へと戻り、ドレスの着せ替えをさせられて……何度もそんなことを繰り返し、アリアの意見も交えてカイと店主がデザインを話し合って決まっていく衣装のデザイン画は、とうとう10枚目になった。
「えっと、次は――」
「あ、あの!こんなには、着られないので……」
言われるままに着せ替え人形だったアリアも、さすがに疲れたし、多すぎるデザイン画に声をあげる。
すると、カイは机に置かれたデザイン画に視線を移し、少し目を見開いてからクスクスと笑い出した。
「あぁ……ごめんね。僕、夢中で……アリアは何を着ても似合うから、たくさんドレスを作りたくなるね。えっと……それじゃあ、とりあえずこのデザイン画の分は全部作ってください。また試着して、当日に着るものを決めますから」
「かしこまりました」
カイは店主にそう注文をして紙にサインした。