情熱のメロディ
フリーダだって、他の皆だって、音楽祭に出たいのは同じだ。それなのに、選ばれたアリアが弱音を吐いていたら憤るのも当然だ。
「そう……カイ様と一緒に王家のクラドールの方がいらっしゃって、手首の捻挫と熱の治療をしてくれたのよ」
クラドールとは医者のことで、王家から来たとなるとかなり腕の良い者だったのだろう。ヴェラは、それ以上アリアが何も言わないことを察したのか、昨日のことを話してくれる。
「寝不足と疲労、どちらもストレスから来るものが大きいそうよ。呪文を施してくださったけれど、また熱が上がってきてしまったからいただいたお薬を飲まないとね。何か食べられそう?」
「少しなら……」
アリアが頷くとヴェラは微笑んで部屋を出て行った。
しばらくして戻ってきたヴェラは具材を細かく切ったスープとフルーツを持って来てくれた。部屋の扉が開いたときに下の階が少し騒がしいことに気づき、アリアは不思議に思う。
「誰か、来ていたの?」
「えぇ。バスラー家のご子息がいらしてね。お父様とお話して今帰られるところだったのよ」
「そう……カイ様と一緒に王家のクラドールの方がいらっしゃって、手首の捻挫と熱の治療をしてくれたのよ」
クラドールとは医者のことで、王家から来たとなるとかなり腕の良い者だったのだろう。ヴェラは、それ以上アリアが何も言わないことを察したのか、昨日のことを話してくれる。
「寝不足と疲労、どちらもストレスから来るものが大きいそうよ。呪文を施してくださったけれど、また熱が上がってきてしまったからいただいたお薬を飲まないとね。何か食べられそう?」
「少しなら……」
アリアが頷くとヴェラは微笑んで部屋を出て行った。
しばらくして戻ってきたヴェラは具材を細かく切ったスープとフルーツを持って来てくれた。部屋の扉が開いたときに下の階が少し騒がしいことに気づき、アリアは不思議に思う。
「誰か、来ていたの?」
「えぇ。バスラー家のご子息がいらしてね。お父様とお話して今帰られるところだったのよ」