情熱のメロディ
そうして時は流れ、今夜は前夜祭が行われる。
アリアはカイが作ってくれたドレスを着てフラメ城へとやってきた。スカートに花の刺繍が施されたプリンセスラインの黄色いドレス。髪はハーフアップで、刺繍とお揃いの花飾りをつけた。
胸元にはダイヤの散りばめられた華美なネックレス――これも、カイからドレスと一緒に送られてきた。
城下町は音楽祭を待ち望んでいた人々が溢れ、広場には露店や小さなステージも設けられていて賑わっている。だが、そんな喧騒を遠くに感じるアリアの心はやはり沈んだままだ。
城へと入り、パーティが行われる広間へ入ると貴族たちの視線がアリアに集まってくる。それを受け流しながら広間の奥へと進み、他国からの来賓やフラメ王国の貴族たち1人ずつに軽く挨拶をして回った。
「アリア」
カイとよく似た声……しかし、カイよりも低めのそれに、アリアは背筋を伸ばして振り返った。
「ヴォルフ様……この度は、音楽祭のゲストとしてお招きいただき、光栄です。精一杯務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします」
「硬いな。そんなことでは安心して任せられない」
アリアの沈んだ心を見透かすような強い視線で射抜かれ、アリアはゴクリと唾を飲み込む。
「ヴォルフ様、そんな風に言ったら余計に緊張してしまいます」
厳しいヴォルフの言葉を咎めるように隣のフローラがヴォルフの腕を少し叩いた。すると、ヴォルフはふぅっと息を吐き出して少し表情を緩める。
アリアはカイが作ってくれたドレスを着てフラメ城へとやってきた。スカートに花の刺繍が施されたプリンセスラインの黄色いドレス。髪はハーフアップで、刺繍とお揃いの花飾りをつけた。
胸元にはダイヤの散りばめられた華美なネックレス――これも、カイからドレスと一緒に送られてきた。
城下町は音楽祭を待ち望んでいた人々が溢れ、広場には露店や小さなステージも設けられていて賑わっている。だが、そんな喧騒を遠くに感じるアリアの心はやはり沈んだままだ。
城へと入り、パーティが行われる広間へ入ると貴族たちの視線がアリアに集まってくる。それを受け流しながら広間の奥へと進み、他国からの来賓やフラメ王国の貴族たち1人ずつに軽く挨拶をして回った。
「アリア」
カイとよく似た声……しかし、カイよりも低めのそれに、アリアは背筋を伸ばして振り返った。
「ヴォルフ様……この度は、音楽祭のゲストとしてお招きいただき、光栄です。精一杯務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします」
「硬いな。そんなことでは安心して任せられない」
アリアの沈んだ心を見透かすような強い視線で射抜かれ、アリアはゴクリと唾を飲み込む。
「ヴォルフ様、そんな風に言ったら余計に緊張してしまいます」
厳しいヴォルフの言葉を咎めるように隣のフローラがヴォルフの腕を少し叩いた。すると、ヴォルフはふぅっと息を吐き出して少し表情を緩める。