情熱のメロディ
カイは目を大きく開いてアリアを見つめてくる。思わず熱弁してしまった自分にハッとして、アリアは熱くなった頬を両手で押さえて慌てて座り直した。
「ご、ごめんなさい。あの……本当に、私……カイ様の音が好きで、その……よ、よろしくお願いします」
「いや……君にそんな風に思ってもらえていたのは、嬉しい……」
カイは少し頬を染め、視線を上へと流して口元を押さえながら「ありがとう」と小さく言ってくれた。
アリアもそんな彼の照れた仕草に恥ずかしくなって膝の上で握った拳に視線を落とす。頬も、首も、握った手も……全身が火照って熱い。
「曲目だけれど、ソロでは『炎の栄光』を必ず入れること。それ以外は、プログラムのバランスさえ考えてくれればアリアの好きなように選んでくれていいから。ピアノの伴奏が必要ならば、ピアニストも選んで教えてくれるかな?僕から招待状を送るよ」
「はい」
コクリと頷いて顔を遠慮がちに上げると、カイはフッと笑う。
「君と僕のデュオは、ミュラー・ブレネンの『夢』を考えていたんだけれど……」
ミュラー・ブレネンはブレネン王家輩出の唯一の作曲家である。「炎の栄光」は彼の代表曲で、その他にも多くの名曲を残し、歴代の王としても、音楽家としても名を馳せた人物だ。
「ご、ごめんなさい。あの……本当に、私……カイ様の音が好きで、その……よ、よろしくお願いします」
「いや……君にそんな風に思ってもらえていたのは、嬉しい……」
カイは少し頬を染め、視線を上へと流して口元を押さえながら「ありがとう」と小さく言ってくれた。
アリアもそんな彼の照れた仕草に恥ずかしくなって膝の上で握った拳に視線を落とす。頬も、首も、握った手も……全身が火照って熱い。
「曲目だけれど、ソロでは『炎の栄光』を必ず入れること。それ以外は、プログラムのバランスさえ考えてくれればアリアの好きなように選んでくれていいから。ピアノの伴奏が必要ならば、ピアニストも選んで教えてくれるかな?僕から招待状を送るよ」
「はい」
コクリと頷いて顔を遠慮がちに上げると、カイはフッと笑う。
「君と僕のデュオは、ミュラー・ブレネンの『夢』を考えていたんだけれど……」
ミュラー・ブレネンはブレネン王家輩出の唯一の作曲家である。「炎の栄光」は彼の代表曲で、その他にも多くの名曲を残し、歴代の王としても、音楽家としても名を馳せた人物だ。