情熱のメロディ
「君と僕の気持ちは違いすぎる」
カイはアリアに喋らせないとでも言うように、アリアを引き寄せた。カイの胸に頬を寄せ、アリアはカイの苦しい想いを聴く。
「君の憧れは、王子の僕に対するものだ。君は知らないから……僕が、いつから君を見ていたか。2年前のあの日……君の音が変わった日、とても嬉しかった。でも同時に、僕は欲張りになった」
あの日――カイとアリアが初めて言葉を交わした日。それからアリアの音は変わった。アリア自身が驚くほど……そして、それはコンクールでの成績としても表れるようになった。
「君のキラキラした音が僕だけのものならいいのに、僕だけのために弾いて欲しいって……僕が隠しているのは、そういう醜い気持ちなんだよ。だから、君は聴かなくていい。聴かせたくない……っ」
カイはそれから少し腕を緩めてアリアと向かい合い、アリアと額を合わせた。
「君は優しいから……僕が手を引いたら、受け入れてくれるでしょう?だから、ダメなんだ。でも……これで、最後。音楽祭で、少しだけ君と夢を見たかった。それだけ……それだけで、僕は十分だから。君は思うままにバイオリンを弾いて。君だけにしかできない音楽を、世界に響かせて」
そう言い終えると、カイは優しく微笑んでアリアの額にキスをした。ゆっくりと離れていく熱、カイはアリアの頬を伝う涙を拭わなかった。
カイはアリアに喋らせないとでも言うように、アリアを引き寄せた。カイの胸に頬を寄せ、アリアはカイの苦しい想いを聴く。
「君の憧れは、王子の僕に対するものだ。君は知らないから……僕が、いつから君を見ていたか。2年前のあの日……君の音が変わった日、とても嬉しかった。でも同時に、僕は欲張りになった」
あの日――カイとアリアが初めて言葉を交わした日。それからアリアの音は変わった。アリア自身が驚くほど……そして、それはコンクールでの成績としても表れるようになった。
「君のキラキラした音が僕だけのものならいいのに、僕だけのために弾いて欲しいって……僕が隠しているのは、そういう醜い気持ちなんだよ。だから、君は聴かなくていい。聴かせたくない……っ」
カイはそれから少し腕を緩めてアリアと向かい合い、アリアと額を合わせた。
「君は優しいから……僕が手を引いたら、受け入れてくれるでしょう?だから、ダメなんだ。でも……これで、最後。音楽祭で、少しだけ君と夢を見たかった。それだけ……それだけで、僕は十分だから。君は思うままにバイオリンを弾いて。君だけにしかできない音楽を、世界に響かせて」
そう言い終えると、カイは優しく微笑んでアリアの額にキスをした。ゆっくりと離れていく熱、カイはアリアの頬を伝う涙を拭わなかった。