彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
彼女人形
ピッピッピッ。


規則正しい機械音がする。


真っ白な壁に真っ白な天井真っ白なシーツ。


その上に横たわる白い顔をした君。


口元にはマスクの形をした半透明の人工呼吸器がつけられていて、目は固く閉ざされたままだ。


そっとその頬に手を当てると温もりを感じることができた。


まだ生きている。


その事実にホッと胸をなで下ろす。


いくら機械が君を生きていると示していても、その姿を見ると毎回不安に襲われた。


そして君に触れることで安心を得る事を覚えたのだ。


「結音(ユイネ)もうすぐ会えるからね」


触れた頬を優しく撫でて、そう呟く。


目の前で眠っている少女、大森結音(オオモリ ユイネ)は何も反応を見せず、ただ呼吸を繰り返していた。
< 1 / 436 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop