彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
「でも……薫子ちゃんは連れて行かない方がいいんじゃないか?」


諒が眉間にシワを寄せてそう言う。


俺は首を傾げて諒を見た。


「どうして?」


「どうしてって……。俺は、結音が薫子ちゃんに会って嬉しがるとは思えないけど」


「そうかな?」


俺は諒の言葉にますます首を傾げた。


そんな俺にイライラした表情を浮かべる諒。


「ちょっと、喧嘩ならやめてよ?」


美奈が間に割って入る。


公園では諒が俺と美奈を止めてくれていたっけ。


「お見舞いに行くのはあたし構わないよ? ただ、薫子ちゃんは結音にそっくりすぎてみんなが驚くんじゃないかな?」


美奈の言う『みんな』とは、結音の両親やお世話になっている看護師さんたちのことだろう。
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