彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
☆☆☆

病院についたのは3時を少し回った頃だった。


一階の売店の前を通り過ぎると、入院患者たちで人だかりができている。


自由に食事ができる人たちが、おやつを買いに来ているみたいだ。


「あ、今日お見舞いのお菓子とか買ってないけど大丈夫かな?」


美奈が売店の前で立ち止まり、そう言った。


「昨日フルーツを持って行っているから大丈夫だろ」


と、諒。


俺もコクリと頷いた。


頻繁になにかを持って行っていたんじゃ、結音の両親も困ってしまうだろう。


手ぶらでも毎日顔を出してあげるのが一番いいお土産だ。


俺たちはいつも通りエスカレーターを使い、結音の病室へ向かう。


見知らぬ薫子にチラチラ視線を送る看護師さんたち。


いつものメンバーに1人加わっただけでこんなに目立つものなんだ。


やっぱサングラスがあって正解だな。


そう思い、ホッと息を吐き出す。
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