彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
店内の中央には3体の展示品である彼女人形が置いてある。


その横に真っ白な長方形の箱が置かれていた。


秋匡さんはその箱の横に立つと、箱の表面をやさしくなでた。


「これが君の彼女人形だよ」


そう言い、箱の側面についている金具を外した。


途端に箱の側面は音も立てずに床へ落ちた。


箱があった場所に立つ彼女の姿に、一瞬呼吸さえ忘れて見入ってしまう。


閉じた目のまつ毛。


うっすらピンク色の頬。


うるおいのある唇。


それらは結音の息移しのようだった。


「ほら、近づいてごらん」


秋匡さんに言われ、俺はこわごわと彼女人形に近づいた。


今にも目を開けそうなリアルさだ。
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