彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
ベッドの中で目覚めない結音が、今目の前で立っている。


俺に微笑みかけている。


それは1年間ずっと夢を見て願い続けてきた事だった。


こんな形でそれが現実になった。


信じられないことだった。


胸の奥から溢れんばかりの愛情がせり上がってくるのを感じる。


「愛してる……」


その愛しさが自然と言葉になって発せられた。


「抱きしめてもいいんですよ? あなたの人形ですから」


秋匡さんが俺の背中をトンッと押す。


それがキッカケとなって、俺の中の細い細い蜘蛛の糸のような理性は崩壊した。


人形にタッと駆け寄り抱きしめる。
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