彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
「じゃぁ、あたしは今日もバイトがあるから帰るね」


美奈がそう言い、俺を諒に手を振る。


俺と諒も手を振り返した。


「俺も、今日親父の誕生日だから早く帰ってやんないと」


「あぁ。おじさんにおめでとうって伝えといてくれ」


「わかった。じゃぁな燈里」


「またな」


手を挙げて教室を出る諒。


俺は諒の後ろ姿を見送ってそっと息をはきだした。


俺は今日早く帰る必要はない。


今から結音の所へ行こうか。


そう考えるけれど、頭の中には薫子の事で一杯だった。


このままの自分で結音に会う事なんてできない。


結音に失礼だ。


そう思い、俺も真っ直ぐ家に帰ることにしたのだった。
< 184 / 436 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop