彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
☆☆☆

夜になり風呂に入ると、しりもちをついた時の傷がしみた。


気が付かなかったが、制服の上からでも衝撃で皮がむけてしまっていたみたいだ。


「普通の力じゃないよな……」


鏡に自分の後ろ姿を映し、首をひねって確認する。


尻の左頬をとくに強く打ちつけたらしく、青くなっている。


体を正面に向き直してみると、薫子に突き飛ばされた胸上あたりにはクッキリと手形がついていた。


その手跡に顔をしかめる。


最初結音にそっくりに作った人形が暴力をふるうワケがないと思っていた。


そして薫子のような細身の女の子に力があるワケがないとも思った。


でも……。


俺は鏡から顔をそむけた。


あれは人形だ。


とてつもないパワーを持った人形。
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