彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
いよいよ噂が現実味を帯びてきた気がする。


この暴力がただの偶然ならいい。


風呂から出て自室へ入ると、薫子がしおらしく謝ってくれてばいい。


そう思わずにはいられない。


でもきっと……。


それは叶わぬ夢なのだろう。


噂は本当で薫子の暴力は日に日に増して行く。


そして最終的に俺は……。


そこまで考えて、俺は自分の考えを打ち消すように湯船に入った。


目を閉じ、口までお湯につかる。


こうしていると何かに守られているような感覚になるから不思議だ。


俺は不安が渦巻く中、ひと時の安心感を得ていたのだった。
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